2019年04月11日

年齢と状態に合った矯正方法を選ぶことが大事です

先日の4月7日時事通信社のニュースで大学生や30代の若い患者さんが抜歯しない矯正をしてしまったことによって、骨髄が死んでしまう、歯ぐきの露出が激しくなる、治療が完了していないのに打ち切ったという情報が流れていました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190407-00010002-jij-sctch&p=2

「抜歯をしない矯正」はいい響きに聞こえますが、「何を根拠に抜歯しないで矯正することにしたのか」が大事なポイントだと思います。

1.中学生以降の矯正は抜歯の可能性もあるということ

中学生以降は、あごの成長は大きく見込めず、そこで無理に歯を抜かない矯正を行ってしまうと、かみ合わせの異常や歯の寿命の短縮にもつながってしまう場合があります。

 

私自身の考えでは、中学生以降の矯正では年齢や症状によって歯を抜くことは必要と考えています。ただし、無駄な抜歯をすることがないように、検査を十分に行い、抜歯をする理由を見つける必要があります。

 

2.小学生でも将来抜歯矯正が必要な場合もある

当院では小学生のお子様を中心に矯正治療をする前に、矯正相談を設けさせてもらいますが、すべてのケースで「抜歯しなくてもいい」というわけではありません。そのお子様の咬み合わせや歯の生えかわるスピード、成長等を考慮させていただき、今後抜歯矯正が必要な方にはアドバイスさせていただく場合もあります。

3.矯正治療の前には十分な検査は必要

ではなぜ、このような大人の矯正で抜歯しない矯正を選んでしまいトラブルになるニュースが流れてしまうのでしょうか。それは「検査不足」「診断の不十分」にあると考えられます。矯正では虫歯治療や歯周病治療よりも検査の項目が多いです。そのため、検査設備や体制が整わずに虫歯治療と同様の検査のみをおこなって診断してしまうと、見落としてしまうこともあります。

 

ですから、矯正を行うのであれば、矯正のための検査体制が整っている歯科医院を選んでいただきたいと考えています。検査のための時間を十分にとっていますか?お口の中の写真を定期的に撮っていますか?一般のレントゲン写真だけでなく矯正用のレントゲン写真(セファログラム)設備がありますか?検査後の結果説明を十分にうけていますか?模型をちゃんととって分析していますか?

「診断できないことは治療もできない」これは私が尊敬するDr.John Flutter先生がおっしゃった言葉です。治療を行う前の診断によって治療の進行に大きく影響すると考えています。

4.年齢とステージに合った矯正方法を

当院では、マイオブレースやバイオブロック、クワドヘリックス、BWSとよばれる上下のかみ合わせを意識した矯正装置を使用しています。ただし、これらの装置も適齢期やお口の中の状態によって使用できない場合があります。今回はマイオブレースとバイオブロック、そしてブラケット矯正(ワイヤー矯正)の適齢期をご紹介します。

 

①マイオブレースの適齢期は5歳〜12歳頃まで

マイオブレースはあごの成長を正しく成長させるための装置です。つまり成長していることが前提となります。そのため、成長期がピークを過ぎる中学生以降はマイオブレースの機能が十分に発揮されないことがあります

 

②バイオブロックの適齢期は主に5歳〜10歳頃です

バイオブロックは主に上のあごを広げることによって、舌が上のあごにつけやすいようにするための矯正装置です。中学生になる前まで使用は可能ですが、装置の適齢期は7歳〜9歳くらいです。

 

③ブラケット矯正(ワイヤー矯正)の適齢期は中学生以降

ブラケット矯正は永久歯が生えそろった後が適齢期となります。

5.まとめ

①中学生以上の矯正治療には抜歯が必要な場合もあります。無理に抜歯しないで治療をすることで悪くなることもあります。

②矯正治療では十分な検査が必要です。検査設備が整っているかを確認してください。

③矯正装置は万能ではありません。装置にあった年齢、症状などがあります。向いていない時期の装置は悪くなることもあります。

いかがでしたしょうか。当院では、中学生未満のお子様を対象にした矯正方法を提案しております。ただし、検査を行った上でブラケット矯正の方が適応と判断する場合もまれにあります。それは患者さんにこれから行う矯正がうまくいって欲しいと思っているからです。今後も菊川市をはじめとする掛川市、袋井市、吉田町、御前崎市、磐田市等の子供達の歯並びにお手伝いできればと強く思っています。