砂糖がなくても歯が溶ける?健康にすっぱいものが良いという流れによって起こる酸蝕症というお口の中の問題

こんにちはかわべ歯科です。雨が多く、なかなか太陽が見れる日が少ないのが残念ですが、今日も雨に負けず日々頑張らせていただいています。

ところで皆さんは健康に気をつけてなにか実践していることはありますか?
最近では、すっぱいものが健康にいいという考え方から毎日お酢を飲む、すっぱいフルーツを食べる方も多くなりました。ただ、お酢やレモンそのままを毎日とるなど、過激なものまででてきました。

図A 図B

本来お酢や、レモンなどは料理の味付けや付け合わせで食べるものであり、そのまま食べると少し酸味がきつく感じます。その強い酸を繰り返しお口に入れることで、歯に起こることがあるのが「歯の酸蝕症(さんしょくしょう)」という病気です。

A.酸蝕症ってむし歯と酸蝕症のちがいは?

酸蝕症は歯に強い酸性の物質がくりかえし触れることで歯の表面が溶ける現象です。
昔は拒食症の方が、酸性の薬品などを現場で扱う作業員の方や、吐くことで出る胃酸が歯に何度もふれることで起こっていた教科書や専門書などでしかあまり見ることのない症状でした。しかし、最近ではすっぱいものブームが起こり、お口の中に酸性が強い食べ物や飲み物をくりかえしたべることで、酸蝕症の方が増えてきており、テレビや雑誌、ウェブなどでも報道されるようになりました。

症状としてはむし歯に似ているため、むし歯と混同される記事を書く方もよく見られます。今回はむし歯と酸食症の違いについて下にまとめてみました。

むし歯・うしょく・カリエス

むし歯菌の出す酸によって歯が溶ける病気です。
プラークと呼ばれる細菌(バイキン)のかたまりがたまった場所から発生します。つまりプラークがなければむし歯になることはほとんどありません。また、全体的にむし歯になることは小児期を除いてまれです。

酸蝕症 さんしょくしょう

酸性の食べ物や飲み物をくりかえし食べ飲みすることで、歯の表面が酸で溶ける症状です。酸性の食べ物・飲み物に触れた歯の表面全体におこる恐れがあるため、多くの歯が被害にあうこともあります。

B.酸食症になってしまった歯はどうなるの?

酸蝕症になってしまった歯にはこのような特徴があります。

①歯がしみやすくなる(知覚過敏 ちかくかびん)
②歯のカドがなくなり丸くなる、歯のギザギザ部分が目立たなくなる
③歯の象牙質とよばれる茶色い内側の部分がすけてみえる
④むし歯になりやすくなる
⑤くいしばりグセがあると歯のすり減りが早くなる

(Erosive Tooth Wear,Lussi 2014より)

C.最近の酸蝕症の原因は?

①酸性の食べ物・飲み物の取りすぎ。酸性の強い食品を直接食べること。

図C

上の表をご覧ください。これは食べ物

特に酸性のものの代表格は「お酢」で、酸性度はpH2〜3くらいです
酢の物や、お酢を使った料理(たべもの)であれば、「かむ」ことができます。かむことによって。唾液がでてくるので、酸性の食べ物でもある程度中和してくれます(後の項目で詳しく説明します)。食べ物にかけること自体酸性度をまろやかにしてくれます。

しかし、最近健康にいいといわれている「酢をそのまま飲む」という行為は黒酢だからとか関係なく「強い酸性」のものをお口に直接入れているのですから、歯が溶けやすくなってしまいます。

ましてや、酸っぱさを抑えて飲みやすくした甘い酢は、糖質が酸っぱさを打ち消すために多く入っている可能性が高く、酸性で溶かされた状態に追い打ちしてむし歯菌が好きな糖を与えているのですから最悪です。できれば、お酢は「飲む」のではなく「料理にかけて食べる」「料理の味付けにお酢を使う」ことをおすすめします。

この表をみると、酸性の食べ物をたべること自体がこわくなってしまいそうですが、酸味のあるフルーツなどは適度に、毎日にならないように食べていただく分には大きな問題はありません、ただしコーラやスポーツ飲料などは酸性度が高いだけでなく、糖質も多く、飲み物のためゴクゴク大量に飲めてしまうので、水や、お茶などに替えていただきたいと思います。

②唾液の量が少ない

図D

「そんなに酸味が強いものは毎日食べてないのに酸蝕症」という場合もあります。同じ量の酸性度が同じものをたべても酸蝕症になりやすい方と、なりにくい方がいます。それは「体質」というとざっくりとしてしまいますが、詳しくいうと「唾液の量」です。

下のグラフをみてください。食事をするとお口の中は酸性のものをたべていなくても20分くらいは酸性に傾きます。しかし、徐々に中性近づいていのがわかるでしょうか?これは唾液が緩衝作用(かんしょうさよう)というものをもっていて、酸性を和らげる作用をもっています。つまり唾液の量があれば、食べた後のお口の中の酸性状態が短くなります。そのためにも唾液を確保してほしいので唾液を少なくする、口呼吸はしないようにしてください。

D.酸蝕症は予防できるの?なってしまった歯の治療法は?

酸蝕症の予防方法は「お口の中が酸性になっている時間を減らす」ことです。
もちろん酸性の強い食べ物を毎日食べないなども必要です。

しかし、もし時に食べることになった場合には、そのあと早めにお水やぬるま湯でうがいするなどをすると、お口の中の酸性度が和らいでいきます。
また酸性の食べ物を食べた後はお口の中が十分に中和される30分くらい後から硬くない歯ブラシで歯磨きをすると効果的です。

あとは飲み物もストローを使って飲むと直接歯に触れにくく酸食症を予防する手段になりますが、飲み過ぎは注意してください。

酸蝕症になってしまった歯には、軽度であれば、知覚過敏予防の材料をぬることで、しみる対策ができます。大きく溶けてしまった場合にはダイレクトボンディングとよばれる材料で覆う治療法があります。

まとめ

今回の酸蝕症について箇条書きでまとめてみました。

①酸蝕症=むし歯ではありません。それぞれ違う特徴があります。
②酸蝕症は酸性の強い食べ物や飲み物からおこる場合がある。特に甘い炭酸飲料・スポーツドリンク・お酢の飲み過ぎは酸蝕症になりやすい。
③お酢は飲むのではなく料理に使用することが酸蝕症の予防につながる
④酸味の強いものを食べた後は、まずはお水かぬるま湯でゆすぐことをおすすめします
⑤酸性を和らげる効果のある唾液を口呼吸などで少なくしないようにしてください。
⑥ダラダラ食べを減らすことも酸蝕症の予防につながります

どんなに健康にいい食品でも、過剰に食べたり、飲んだりすると害になる場合もあります。必ずメリットだけでなくデメリットも十分に調べた上で、適度に取り入れていってください。

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